2008年5月1日木曜日

前回のおまけ+α

 ちょっと間が空きましたが、前回のお話では、嗜好性と規模の経済という二つの方向性が現れる業界を取り上げました。そこで、かつて分析した中で軽アルコール飲料業界もそうだったように記憶していると書きました。
 そのまま放り出すのもナンなので、直近の状況を調べてみました。


 いやぁ、見事に「規模の経済」が働く業界になってますねぇ。
 この業界では、ベルギーInterBrew社とブラジルAmBev社の合併によるImBev社誕生(2004年)やメルシャンのキリンホールディングス傘下入り(2007年)など、国内外とも大手同士による再編が進みました。その結果、上場企業の中には特化型の企業が無く、規模の経済が典型的に現れる状況になってしまったというコトでしょう。
 まぁ、これが国際競争というものですね。
 もちろん、地酒を造る酒屋やワイナリーは今後も特色ある企業として残っていくことでしょうが、そうした中小企業が大手に買収されること(サッポロによるチリViña Undurraga社買収~2005年とか、ウイスキーですけどサントリーによるBowmore買収~1994年とか)も続くでしょう。

 もう一つこのグラフを見て気が付くのは、傾向線から大きく上方に乖離する、即ち強いブランド力を持つ企業も無い、ということです。私のようなエロおやぢに対してバドガールの訴求力は強いワケですが、全体としてのBudweiser(Anheuser-Busch社)のブランド力は然程でもないことが見てとれます。

 さて、こうした形の再編が進んだ軽アルコール飲料業界と、未だそれが進んでいない化粧品・トイレタリー業界では何が違うかというと…商品の持つ嗜好性の強さからくる、消費者のロイヤリティの強さが最も強く影響しているんだろうと思います。
 喉が渇いてビールが飲みたくなったトキに、「お気に入りじゃなきゃイヤ」というヒトは、あまりいないでしょう。スーパードライを普段飲んでいるヒトでも、一番絞りとモルツしか置いてなければ、どっちか飲んじゃいますよね?
 そうした代替可能性の高さが、上記のような、規模の経済が促進される一方で特別なブランドは不在という状況に繋がっているのでしょう。
 でも、日頃TSUBAKIを使っているヒトがアジエンスに替えるには、結構思い切りが要ると思います。但し、それじゃあ化粧品・トイレタリー業界が、軽アルコール飲料業界に近い形の再編が進まないかというと、そうは言い切れません。
 ファッション業界では、複数の、方向性が必ずしも近いものばかりではないブランド群を単一企業グループが取り込む形で、ここ数年で急激に再編が進んでいます。ファッション企業の中には、酒類メーカーと合併したトコ(LVMH)までありますね。
 化粧品・トイレタリー業界でも、同様の再編が進む可能性は否定できません。むしろ、欧米での景気後退と発展途上国での普及促進のために求められる単位コストの削減が、再編を後押しする可能性もあろうかと思います。ファッション企業による、業界の壁を越えての買収も、あるかもしれません。
 さて、どこがどこを飲み込むでしょうか…


 ところで、道路特定財源のための暫定税率制度の再適用が可決されちゃいましたね。
 ドライバーとしてはツラいトコロです。ゆうべは私も行列に並んで、満タンにしてきました。私のクルマは今月車検なので、重量税の減免を期待してたのですが、ソッチの方はもっと残念です。
 で、今回、福田首相他の方々がソレを正当化するに際して、ガソリン税の環境税としての意味合いを主張していたのは、私ゃ気に入りません。
 スタグフレーション環境下で生活コスト全般を切り詰めているのに、レジャーコストを拡大してガソリン消費を増やすワケがないでしょう。
 環境税としての性質を持たせるなら、景気に連動して税率を上下させるようにすればいいと思うんですよ。そうすれば、景気拡大期にもガソリン消費の増加は抑えられるでしょう。
 ガソリン税に限らず、景気連動型の税制はあっていいんではないでしょうかね。
 全部税率(または税額)固定にしちゃうから、好況期の予算が既得権益化して、不況期に必要以上に国民経済を圧迫することになるんじゃないでしょうか。
 好況時により大きな税収増が見込める形にしておけば、官僚や政治家の方々も、成長路線を重視する方にシフトしてくれると思うんですけどねぇ。ついでに、好況が行き過ぎてバブルになるのを抑える効果も期待できると思うんですけど…
 如何ですか?

0 件のコメント: